その雑居ビルは4階がなかった
2024/06/02
その雑居ビルはゲンを担いでか4階がなかった
つまり、3階の次が5階になってるんだけど
エレベーターの音声案内がそれに対応しきれてなくて
5階に着くと「4階です」とメッセージが流れる
ある日、そのビル内に仕事でやってきた友人Yがエレベーターに乗り込むと
全てのボタンを押してあって、2階、3階・・・と一回ずつ止まっていったんだが
「4階です」とメッセージが流れ扉が開くと、目的の五階と様子が違ってる
何度か来たことがあるので、エレベーターの扉が開いて見える、廊下の部分があまりにも異様だった・・・
壁には工事用のシートが覆っていて真っ暗
はて?これ五階?
友人Yはエレベーターからでるのを躊躇して、首だけを出して辺りをのぞき込んでみた
廊下の奥は、まったく電灯が無く暗い闇のその奥に
非常灯がポッと付いていて、その下でたしかに何かがうごめいているが暗くてよく見えない
耳をすますと、その奥から「うっ、ううっ、ううう・・・・」
と、かすかに女性のすすり泣く声がする
俺の聞いたこの話の先は物語風には書かないで要点だけ書くと
得体のしれない階に止まって降りて奥に行ってみると
女性が鎖につながられて「助けて」って
怖くなってエレベータに戻り逃げるようにボタンを押して違う階に
目的の階に着いてそこでその話をしても、ふしぎがるばかり
助けなくちゃヤバいんじゃ?と思い返して
戻るときに一階ずつ止まるように開いて行ったが
あの階はなかった