熱中霊
2024/04/14
小学生の頃、私と兄とその友達は休日に近所の公園で昼から夕方まで遊んでいた。
その公園は大きくて地元でも幽霊が出るとかで有名だった。
しかし当時の私たちは幽霊よりもそこに住んでるといわれるルンペンを怖がっていた。
夕方になると帰りを知らせるチャイムが聴こえた。
だけど、私たちはやんちゃで守る気なんて更々なかった。
そのまま遊びを続行しようとしたが私は何故か急に気だるくなって、遊ぶのが辛くなった。
普通なら熱中症だと思うがこの時の季節は冬で、寒くて太陽も出ていないし雪も降っていなかった。
なのに身体中が熱くて熱くて、遊びを続行できないので私は兄達より先に家へ帰った。
家に着いた私は親が出張でいないのを思いだし、そのままベッドに直行して眠りについた。
夜中。目を覚ました私は二段ベッドの下の段にいる兄に気分が悪いと伝えた。
すると兄も苦しげな声で
「俺も途中で気分悪くなって、家帰って寝た。
熱あるかもしれないから体温計持ってこい」
と、命令してきた。
私は重い身体を引きずって体温計を兄の元まで持っていった。
兄は39度の熱があった。私も念のためにと計ると兄と同じく39度の熱だった。
私と兄は親がいないのでベッドの上でひたすら眠った。
するとタイミングのいいことに出張していた母が帰って来た。
母は兄弟揃って熱出していたのを見て慌てて看病してくれた。
するとどうだろうか。私と兄は次の日には熱が平熱にまで下がった。
病院ではインフルエンザなどの病気ではないと診断され、問題なかった。
その後。あの日公園で一緒に遊んだ兄の友達もどうやら熱で寝込んでいたと知った。
あの公園の霊がずっと騒いでいた私たちに怒ったからかわかりませんが、その公園は今でも霊が出ることで有名です。