普通じゃないおじいちゃん
2022/11/22
家の近所に、一人暮らししていたおじいさんの話。
息子夫婦と折り合いが悪かったそうで、若夫婦が家を出ていきました。
それからおじいさんは一人淋しく大きな家に住んでいました。
私はその頃、小学生で塾に通っていました。
その家の前をいつも夕方7時頃通っていました。
いつものようにその家を通るとニヤニヤ笑ったおじいさんが何も言う訳でもなく道の隅に立って私を見ていました。
幼いながらも、「このおじいちゃん怖い、普通じゃない」と感じた私は走って家に帰りました。
家で母にその話をすると、
「あのおじいちゃん可哀想に、一人になったら淋しくなっちゃったのかもね。○○さん(近所のおばさん)のお家に、夜になると玄関のドアをドンドン叩いて、何か言ってるらしいの。塾は今度から迎えに行くね。」
そう言われました。
その次の日です。おじいちゃんが首を吊っているのが発見されたのは。
暑い夏でした。車庫の中で亡くなっていたそうです。
状態から死後10日は経っているだろうと大人達が話しているのを聞きました。
では、私が見たおじいちゃんは・・近所のおばさんの玄関を叩くおじいさんは一体・・・。
それから母はその事には触れませんでしたが、私の「色んな物が見えるから夜は電気を点けて寝て良い?」という願いをすんなり聞いてくれるようになりました。