一緒に死ねたのに
2022/11/02
小学生のお盆時期の話です。
毎年母の田舎で大きなお祭りをやっていて毎年この時期それを見に行っていました。
祭りは3日間行われるのですが1日目で張り切りすぎてしまったせいか2日目体調が優れず祖母の家の2階で横になっていました。
夕方になって2つ下の妹が「ねえ、お祭り行こうよ。祭り見れば気分も良くなるよ」と誘いに来ました。
しかし私はどうしても気分がよくなかったので今日はやめておくと断りました。
妹はちょっと不機嫌な様子でじゃあパパといって来るからと1階へ降りていきました。
じめじめした暑さでなかなか寝付けずにいた私がようやく眠りに入りそうだなというときでした。
「行こうよ行こうよ・・・」という声とともに急に何かに腕をひっぱられたのです・・・
私はまた妹が祭りに誘いに来たのだと思い「ごめん明日行くから・・・今日は休ませて」
と横になったまま眠気眼で断っていました・・・が余りにもしつこいので強い口調で
「もう行かないってばっいいかげんにして!」と叫び妹のほうを無理向きました。
外は既に暗く、部屋も月明かり程度にしか差し込んでいませんでしたが薄暗いなかにぼやけた黒い影を見ました。
それは明らかに妹ではなく
髪の毛の長い女性のようでした・・・
そして最後にその女性が言った一言が今でも耳から離れません
「ちっ・・・もう少しで一緒に死ねたのに・・・・」
そういうと女性の姿はふっと消えました・・・
後に家族にその話しをしましたが寝ぼけていたのだといわれるだけ、私もそう信じたいのですが腕にはくっきりとつかまれたときの手形がのこっていたのです。