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遭難者のメモ

2022/08/10

12月4日。この雪山に遭難して約24時間。
古い山小屋ではロクに暖も取れず、
少々寒いが外で過ごす事は出来ない。
助けはすぐに来るに違いないだろう。

12月6日。助けはまだ来ない。
この吹雪だから捜索が難航しているのだろう。
落ち着いて待つ事にする。

・時計が壊れてしまったので、日にちが分からない。
食料が少しずつ減ってきた。
水は雪を何とかして得られるが、
空腹は辛いだろう。吹雪 はまだ止まない。

・ドアからかぜがはいってくる。
防寒ふくを多めに着ていてよかた。
てがふるるえて上手く文字をかけないが、
しかし私はあきらめない。
あきらめたら終わりだ。

・何という事だろう、
あれほど吹いていた吹雪が嘘のように止み、
私は救出隊に発見された。
彼らに聞くと、12月12日だという。
少し長い遭難体験だったが、もう終わりだ。
この日記は、ここに置いていこうと思う。
もし、ここで遭難してこれを読んだ者がいるなら、私は言いたい。
決して諦めるな。助けは必ず来るのだから!
12月12日 ○○○○

--------

日記の文字は時間を重ねるごとに筆圧が弱くなっていたが、最後の12日のメッセージだけは希望に溢れたようにしっかりしていた。

尚、連日に渡る猛吹雪のため、捜索が再開されたのは、それが少し弱まった12月14日の明朝の事である。
この日記の書き手、彼の遭難者の行方は現在も行方不明、とのこと。

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