気味の悪い空き家
2022/04/14
10年ほど前のこと。俺が、中学2年ぐらいの時に地元で経験した話。
季節は7月の上旬の夕刻6時ぐらい。部活終わりに同じ部活の仲間(AとBの二人)がちょっと良い所行こうと言うのでついて行った。
学校からそう遠くないところに、低所得者向けに町が安価で貸している住宅が6件ほど固まっている。
住宅はそれぞれ2階建てで、隣との間隔は10mぐらい。
↓こんな感じで並んでいる。
○○○
○○◎
そこに連れて行かれ何をするのかと思っていると、Aが突然その内の一件(◎の家)のドアを開けた。
他の5件には人が住んでいる(洗濯物などがあった)のにこの1件だけはどうやら空き家らしい。
何故鍵がかかっていないのか、と疑問に思ったが冒険心と童心に誘惑され中に入った。
中に入るとまず、キッチンとリビングがあった。それと変な異臭がした。(何かが腐ったような臭い)
あと、リビングの床が気持ちの悪いシミだらけだった。有名な人が死んでその形にシミが残っている画像があるが、人の形はしてないもののあの画像のような色(濃い焦げ茶っぽい色)のシミが床のあらゆる場所と壁にあった。
玄関でまず携帯で写真を撮ったんだが、そこにオーブが映っていた。
次にリビングから伸びている廊下を進むと突き当りに、トイレと風呂。廊下の途中に2階への階段があった。
トイレと風呂は特に何も感じなかったんだが、階段の横に謎の収納スペースがあった。そこを通るとき1人がなんかここ気持ち悪いなと言った。俺ももう1人も同感だった。
夏の暑さではない何か体にまとわりつくような変な気持ち悪さがあった。
開けてみようという話になって、じゃんけんに負けて俺が開けることになった。
取っ手を握るとなんか、ヌメヌメして気持ち悪かった。
ゆっくり開けてみると中は何もなく、リビングにあったのと同様のシミだらけだった。
それから気持ちが悪いので2階は少しだけ見てすぐ帰ってきた。
2階はシミがなかったものの畳がぐしゃぐしゃだったりかなり荒れていた。
んで、その探索する間、動画や写真だと当時の携帯電話は容量が少ないので音声をずっと撮っていた。
その空き家から出て音声を三人で聞いたんだが、あの収納スペースの横を通るときに変な声がした。
ボリュームを上げて聞いてみると、女性が喉から絞り出すように出す唸り声だった。俺たち三人にもちろん女はいない。
その後、友達のその携帯電話は1週間後ぐらいに壊れ買い換えていた。もう一人はその帰りに自転車でこけて手首にヒビ。
俺はというと、取っ手を持ったところに変なイボができた。
去年実家に帰った時に横通ったらまだ壊されてなかった。見た感じおそらくまだ空き家のままだった。
その家に過去に何があったかは謎のまま。行こうと言い出した奴もたまたま空き家見つけただけで知らないと言っていた。