生首ギター
2022/03/26
リサイクルショップを歩いて回るのが好きなとある人が、仕事の出張先でたまたま掘り出し物の高級ギターが格安で売られているのを発見した。
男は仕事中でしたが帰りにこっそり買って帰ってもバレないだろうとすぐにそのギターを買った。
男が家に帰って実際に音を鳴らしてみると安物では味わえない高級感の漂う音色が響いた。
弦が錆びてるけど張り返れば外で使っても全然いける、これまた良い買い物をした。
恐らくモノの価値を知らない店員が適当な値段をつけて売り出してそのまま気がつかなかったのだろう。
でも、なにかがおかしい。全体の妙な重みが気になった男がホールを覗くと何やら奥のほうに黒い塊が。
男がなんだこれはとペンライトで照らした瞬間その正体が生首だとわかりギョッとした。
男はすぐにそれをケースにしまうと近所の中古楽器屋に売り払った。
しかし、そうしたこを今では後悔しているという。何も知らない楽器屋のあんちゃんが弦を張り替えて、その夜すぐに事故で死んでしまったと聞かされたからだ。