ネット上に存在する不思議で怖い話を
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スライドババァ

2021/05/08

数年前、上京したばかりの時の話です。当時地元で付き合ってた彼女とも上京して数日で別れてしまい気分的にもすごく落ち込んだ日々でした。

引っ越した場所は都内でしたが以外と静かな住宅街で夜は人はほとんど歩いていないってくらい静かで、自分の地元を思い出すほど寂しい空気でした。(地元四国です。)

ある夜、深夜の1時くらいかな。まだ一人暮らしになれてないのもありなかなか寝付けませんでした。なんか寂しかったし、布団に入って電気消すと別れた彼女の事思い出して泣きそうになってしまうんです。

駅前で見つけたTSUTAYAでビデオでも借りて寂しさを紛らわそうとしました。とりあえずAVとアクション物を借りてトボトボ帰宅中に自分のマンションの前の交差点で、ばぁさんがスライドしたかのように(滑る感じ?)に交差点を横断してるのが見えました。

自分が立ってた位置からそのばぁさんの距離まで、50mくらい離れていたのでスライドっぽく見えたのかな?つーかあれ、ばぁさんだったよな。ばぁさんだとしたら夜中に何してんだコレ。そんな感じがした。

しつこいようですが、まるで人間が人形を手に取り無理に歩かせようとスーっと滑らせた感じに見えたんです。(わかりにくくてスマソ)

その時少し怖かったです。しかし、もしはっきり見えてて幽霊という確信が持てたなら恐怖でチビって急いで家に帰ってたでしょう。

でも、気のせいって気持ちが勝ってしまってて、そんな事よりビデオ見るならビール飲みながら見ようって思いまた逆戻りして駅前にあるセブソに行きました。(あの、なんか細かくてすみません。思い出しながらカキコしているので許してね)

セブソに入って数分後、ビール6缶パックとおつまみを買った俺はスライドババァの事はすっかり忘れてAV早くみなきゃw何回抜こうかなwwwとハァハァしながらマンションに帰りました。

その途中、えっ?て思いました。なんと、ばぁさんがいました。なんと、ばぁさんは自動販売機の前でボーっと立っていました。販売機の光でばぁさんの顔がはっきり見えないのが余計に鳥肌物でした。

すっごいボロボロな服着て、頭に手拭いみたいなの巻いて体が小刻みに震えてました。スライドしたばぁさんかどうか確信は分かりませんが、正直怖かったです。俺は関わりたくないので見ないふりして通りすぎようとしましたが、ばぁさんは
「うちはどこ?どこに住んでる?」
と語りかけてきました。

もちろんシカトです。イカレたホームレスかなと思いました。しかし俺について来るんです。
「家はどこ?ゴホッ!家は」
「うるさいな。そんな事聞いてどうするんです?ついてくんなっつーの」
そう言い放ってしばらくした後、
「あんたに聞いてるのっっ!!!」
ビクッとしました。いきなり怒鳴られましたから。

えっ?なんでキレるの?しかも意味わかんねー!
そして恐怖より怒りがきた俺は警察呼ぶぞと言おうとして振り返りました。ばぁさんは舌を犬のように出した状態でニコニコしてました。怖えー!何このババァは!

ばぁさんは何事もなかったかのように「うちどこ?」と尋ねてきました。家までついてこられたらヤバイ。なんか知らないがコイツやばいなと感じた俺は
「家には帰らないよ。友達の家までいくから。だからついてこないで。ついて来るなら警察呼びますよ」
そう言いました。

そしたら目が血走った顔で「私殺される!!殺されるの!!殺されてもいいの!!!?」
もう俺は意味わかんないのと恐怖で泣きそうでした。無責任な気がしたけど夢中で走って逃げましたね。俺が殺されるって感じましたもん。

3月なのに汗びっしょりになってマンションの前まで走った。恐怖心と神経質になってたかもしれないから気のせいだと思うけど、また交差点でばぁさんがスライドして横断したように見えたんです。

もういい!もういい!と頭の中で連呼しながら自分の部屋の前まで行き、鍵をあけ部屋まで無事たどり着きました。ベットに倒れ込み、息を切らしながら気分を落ち着かせて、一応鍵をかけた事を確認して普段やらないチェーンもかけました。

なんだったんだあのババァは。俺は喉が乾いていたので丁度買ってきたビールを飲もうとフタを開けました。

プシュー!っとビールが吹き出し、「やべ、走ったからなー」
その瞬間に カコンッ って音がなったんです。ドアから。

ドアについている郵便受けが開いたり閉まったりしてるみたいなんです。何度も何度も。気分が悪いですが、あのばぁさんが俺を確認するかのように郵便受けのフタをあけて確かめてるような気がしてならなかった。

カコンッ パタン カコンッ パタン

ずっと続きました。俺は恐怖に震えた手で警察に電話して、部屋の郵便受けを開けたり閉めたりする奴がいると通報しました。10分後、急に音が止みその後に警察が着てくれました。

警察「本当にさっきまで私が来るまで郵便受けを開けてたんですか?誰もいませんでしたよ?心当たりあります?」

ないに決まってる。とりあえずババァの事をすべて話して朝までマンションの回りをパトロールしてくれる事になった。

それから数週間、スライドババァの夢をほぼ毎日見続けノイローゼ気味になった俺は最悪の東京デビューとなった。やる事なす事駄目だし、ベランダでスズメがよく死んでいるし、軽い交通事故にあうし。

さらに3ヶ月後、埼玉の方へ引っ越した。引っ越すと同時くらいに調子がよくなりました。あのばぁさんは俺の家を見つけた。そして俺の家に住んでいたのかなーって思ったりした。

長文スマン。つかれた

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