富田さんのお宅ですか?
2021/02/18
おかしな訪問客、っていうのなら経験がある。
居間でテレビを見ているとチャイムが鳴った。今のご時世、何があるか分からないのでインターホン越しに話すため、受話器を取った。
訪問客「あ、富田さんのお宅ですか?」
うちと似ても似つかぬ名字。門にも表札はあるし、玄関フードの中にも表札はしっかりと付けているし、ちゃんと見ろよとムカッとしながら「違いますよ」と返すと、「すみません」と言い残し去った。
ちなみに居間の窓からは門⇔玄関の通路がバッチリ見え、私は電話の子機で応対に応じていた。その通路がしっかり見える場所で母がすぐ近くにいたので、事を簡単に話すと「近所に富田さんっていないはずだけど…。表札見れば分かるのにね」と話しながら『次はどこのお宅に行くんだろ』と気になっていたので、窓からその人の行動を見張っていた。
しかし、なかなか現れない。玄関から門までなんてものの8mだし、そんな10分もかかる大豪邸じゃない。なんで現れないんだ?と不思議に思い、2分程経過してから玄関に出てみた。しかし居ない。
両隣は高めの塀があるし、構造的に何事もなく越えるのは困難。後ろの家には犬が2匹庭で飼われていて、その家の敷地内を抜けて行くのでも、よく吠える犬の真ん前を通って行くため、まず吠えられるだろう。起きていたし。
となると、その訪問者が出入りするのは門である一方しか無くなる。しかしずっと見張っていたため、それも無し。こういうのも何だけど、その訪問者が異界の者だとしたら話が早くなってしまう。
翌日、隣の竹田さん(70歳ぐらい)と話す機会があって、昨日変な人が来なかった?と聞いてみると「昨日は誰も来なかったよ」と。内容を話すため、「富田さん」という名字を出すと竹田さんが反応した。
竹田「あぁ~。富田さんね。○○ちゃんの家は中古だけど、前の前に住んでいた人が富田さんって言ったかな。挨拶も無く、まるで夜逃げのようにどこかへ引っ越して行ったなあ。その後空き家になって、入った家族が居たけどすぐに引っ越したよ。でも富田さんがいたのも10年近く前だし変だね」
いくらセールスだといっても、何故10年も前の情報なのか不思議。ちなみに某大手ピザ屋でバイトをしているため、半径500mの地図をバイトが終わった後に見たけど、富田さんという家は無かった。念のために町名違いで条・丁目が同じ、或いは1つ違いも調べたけど該当無し。
姿が見えない、表札があるのに聞く、周辺に富田さんはいない、10年前に住んでいた人の名字。こう重なると訳が分からなく怖い。あまり幽霊とか信じないたちだけど、さすがに信じたくなった一件。