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差出人不明の預かり物

2020/08/20

これは大学の先輩が体験した実話。
その先輩は沖縄の人で、東京の大学の受験のため上京していた時のこと。
特に東京近郊に知り合いもいなかったので、都内のホテルに一人で宿泊していた。
何校か受験するため、2週間くらいの長期滞在だ。
そんな中のある日、試験を終えて試験会場からホテルに戻ると、フロントの人に呼び止められた。
「A様でらっしゃいますよね」
「はい。そうですが・・・」
「実はA様宛に、他のお客様よりお預かりものがあります」
「えっ?誰ですか、それ?」
「さあ・・・他の従業員が対応しましたのでわかりかねます」
先輩は状況が理解できなかった。
なぜなら実家の親以外に、彼がこのホテルに宿泊していることは誰も知らないはずだから。
「人違いではないですか?」
「いいえ。お客様はA様ですよね?でしたら間違いございません。
確かにA様宛に、お預かりしたものでございます」
「他のAという名前の人ではないでしょうか?」
「いえ、当ホテルでは現在A様という名前のお客様は、あなた様だけですので」
先輩はわけがわからなかったが、とりあえず自分宛だという謎の預かり物であるB5サイズの茶封筒を受け取った。
部屋に戻って、先輩は中身を開ける前にとりあえず実家に電話してみる。
しかし当然、実家の親はそんなもの知らないと言う。
やっぱり人違いでは・・・先輩はもう一度フロントに言いに行こうとしたが思いとどまった。
先輩のA(ここでは名前は伏せるが)という名字は大変珍しい名前であり、
その名前で確かに届いていたのだから、他の誰かと間違うはずもない。
ついに、恐る恐るその封筒を開いてみる。
すると中からは、一枚のレポート用紙が出てきた。
そこにはサインペンで、手書きの地図のようなものが描かれていた。
現在いるホテルから3つ先の駅から道が伸びており、簡略に描かれた道を順にたどって行くと、
ある道の傍らに斜線で記された場所があり、そこに矢印がしてあって、その横に『ココ』と小さく書いてある。
封筒をもう一度のぞくと、中には何やら家の鍵らしきものが一緒に同封されている。
先輩はもう完全にわけがわからない。
同時にものすごく恐くなり、その封筒に中身を戻すと、無理矢理フロントに押し返した。
もちろん、その地図の場所に行ってみようなんて気にはとてもなれない。
幸いにも受験校は翌々日の1校を残すのみであったが、そのことが頭から離れず、試験にまったく集中できなかったそうだ。
先輩はその試験を終えると、当初は受験を全て終えた後の骨休めとして、東京見物をするためもう何泊かする予定であったが、それらをキャンセルして、逃げるように沖縄に帰った。

以上です。
実話だけに、これ以上のオチはありません。
でもその先輩は、いまだにそのことは全くの謎であり、思い出しただけでも恐くなると言っています。

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