俺の服を着ていた
2020/08/01
俺が大学受験に向けて夜中まで
勉強をがんばっていた頃の話。
あれは深夜の二時くらいだったかな?
きりの良いところまで問題集を解いた俺は
いつもの気晴らしをするために外に出たんだ。
その気晴らしってのは素っ裸で町内をひたすら走り回るんだけど、
その日は寒かったから凍傷にならないように
靴下だけは履いて行ったことを覚えているよ。
気がつくといつもの公園についていて
(当時その公園がスタート地点だった)
さっそく素っ裸でジョギングを開始したんだよ。
そんで、しばらく走っていくと潰れた町工場があるんだけど、
ちょうどそこを通り抜けるとき、俺は見てしまったんだ
工場の薄暗い窓の奥で首吊り死体が揺れているのを・・・
俺はもう卒倒しかけたけど、
ただごとじゃないことに気づいて急いで警察に連絡したんだ。
警察はすぐに来てくれたけど
首吊り死体は見つからなくて
結局気のせいってことでかたづいたんだけど、
後になって気づいたことがあるんだよ。
それはその死体が俺が家で脱いだ服と同じ服を着てたということ。