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団地の階段

2020/05/15

小学校1年のときまで住んでいた5階建分譲住宅でのことです。
良くある1本の階段の左右に一軒ずつの部屋が配置されている団地の階段での出来事です。
私達家族は最上階の5階に住んでおりました。
ある日、私が遊びに行こうと5階から4階まで階段を下ってたときでした。
一つ年下の弟が泣きながら階段を上がってくるのが聞こえました。
どうしたものかと思い足を速めましたが、3階.2階.1階…降りても降りても弟の声は近くなりません。
そして、一階に到着したときその声は消えました。
一応地下の機会室に続く階段があるのですが鉄格子の扉がいつも通りカギがされたままで降りられそうもありません。
そのとき上から再び泣き声が聞こえました。
建物から前に5mほどはなれ、ふと5階の踊場を見上げたら弟が私を見下ろしてました。
ただその時は特に気にもしてませんでしたが、今の家に越してきて母と昔話をしていて同じことが以前にもあったと言う事を聞き急にいやな気分になりました。
3階に住む親娘が一緒に帰ってきて娘が先に階段を駆け上るのを母親が後ろから見ていたたが、2階の住民のおばあさんと出会い、立ち話をしていたらなぜか娘が下から上がってきたと言う話。
ちなみに地下は近所一帯の水道タンクのポンプ室で何らいわくのある施設ではありません。
ひとつ気になるのはその棟の壁がいつも工事されていたことです。
当時は「直しても直してもコンクリートのひび割れが出る。」聞かされていたが、引っ越し後幼馴染との再会で事実をしった。
「しってた?あの壁って何回塗りなおしても子供を背負った母親の形をしたしみが浮き出てきてその度に塗装していたらしいよ。今はしみと同色の色で上手いこと全面に絵を書いてごまかしてるらしいよ。」そう言った幼馴染の顔は決して面白おかしく話をしている様子ではありませんでした。
その後母親に問い正すと「お母さんは幽霊とかは絶対に信じません。」とむきになるだけ。
弟はその団地での記憶は幼かったせいかほとんどないみたいです。
そう言えば我が一家の引越しはかなり急なことだった気がする。
出来あがらない新築に取りあえず避難するように引っ越した気がします。
いま、子供が良く事故やケガに見舞われる団地のお話25年経ったいまでも山の中腹にそびえる団地の2号棟でのお話でした。

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