お前にも見えたんだ
2019/10/02
恋人の部屋に遊びにいった時のことです。
彼は1Kのアパートに住んでいます。
部屋にはドアあって、
そこを開けるとキッチンです。
2人で夕食を食べて、
そろそろ片付けようかということになりました。
彼はキッチンの部屋のドアを開けました。
するとなぜか、おばさんがいました。
私は、え?と一瞬固まりました。
彼は一人暮らしだったからです。
彼もおばさんに気がついたようですが、
別に驚く様子もありません。
『母親が来たのかな』
とぼんやり考えて、
『あ、そうだ、挨拶しなくちゃ』
と思って立ち上がりました。
すると、彼は特に何事もなかったように
ドアを閉めました。
そして、2~3秒経ってから
再びドアを開けました。
おばさんはいなくなっていました。
「よし!!」
彼はそう言うと、
食器をキッチンに持っていきました。
えええ、さ、さっきのおばさんは?
私はあまりに手慣れた?彼の対応に、
怖いという思いもなく、
自然な様子につられて一緒に食器を片付けました。
「あのさ、さっき、おばさんいたよね」
「ああ、たまにね。お前にも見えたんだ。でも、気にしなくて良いよ」
と普通に言われたので、あ、そうなんだ、と納得してしまいました。