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見ちゃいけないと分かってるのにチラリと見てしまった

2019/09/17

俺は所謂点検業者で、個人宅から集合住宅まで、主に電気系の点検をしてるんだが、今日の事。
兵庫県のとある高齢者向け集合住宅で、いつも通りの点検をしてた。
いつもと違うのは、この部屋の住人は少し前に亡くなってて、今は空き家で電気もガスも水道も止まってる事。
普段と同じ方法で点検を済ましていき、最後に風呂場の点検に入った。
風呂場はユニットバスで個室みたいになってて、電気が通ってないからLEDのヘッドライト一つで作業してた。
屈み込んで壁面のスイッチを触ってる時、ふと風呂釜?の中から異様な気配を感じた。
よく考えたら、いつもの空き家なら普通は換気の為に風呂釜のフタは開けっ放しになってるはずなんだが、そこはなぜか閉めたままになってて、そのフタがじゃばらと言えばいいのか、一枚フタでそういう形状。
そのじゃばらの一部は少しだけ浮いてて、僅かに中のくらーい部分が見えてる。
俺が異様な気配を感じたのもソコなんだが、こういう点検してるとよくある事なので基本無視して作業だけすました。
作業を終えて立ち上がる時、見ちゃいけないと分かってるのにチラリと見てしまった。
風呂釜の中から、じっとこっちを見つめてる『目』だけが見えた…。
いや、真っ暗の中からだからそれっていう確証は無いんだが、直感でそれは『目』だと分かった。
大慌てで道具を持って逃げるように部屋の鍵閉めて帰ったさ。
仕事上こういうことには慣れてるんだけど、久々にマジで怖かった。
憑いて帰って来てない事だけを今は祈ってる。
今夜が怖い。

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