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本栖湖のキャンプ場

2019/09/05

10年以上前の高校の頃、富士五湖の一つの本栖湖のキャンプ場で、友達二人とバイトすることになった。
寝泊りする小屋はもう酷い。
入り口のドアは、木の板にチョウツガイをつけただけの物。
半開き状態だから、落ちてる針金を見つけてどうにか閉まるようにした。
夏休みだったから毎日夜更かししてたので、まぁ寝付けない。
他の二人は寝つきがよろしいようでグッスリ。
すごい怖くて、でも当時はポケベルだったので誰かと連絡を…って訳にもいかず、布団に潜り込むことしか出来なかった。
少し風が吹いててザワザワ聞こえてた音が急に止まった。
その直後に、今度は地面に落ちてる小枝がパキパキ誰かに踏まれてるような音がした。
明らかに音は小屋に近づいてきてる。
少ししたらその音がピタっと止まって、そしたら屋根の上にドングリか何かが落ちて、コロコローファサッって地面に落ちる音まで聞こえて、その直後コンコンってノック。
無茶苦茶怖かった。
しかも、それが毎日同じ流れで続いた。
ある日の晩、友達も一緒にその現象を体験した時、ノックの直後に友達が返事をしやがって、俺はウワッチ!って思って布団に潜ってブルブルしてたら、もう一人が「何か変なおっさんみたいなのが入ってたよ」って言った。
ええ!?!って思って布団から出て見たけど、既に居なかったのか俺には見えなかったのかは分からない。
これだけだと良くある話な感じだけど、不可解な事がある。
俺の名前はある人が名づけたらしく、その人のお守りを本栖湖へ行く前に親に持たされた。
財布に、取れないようにきつく縛り付けておいて。
無宗教って程でもなければ信仰してるものも無いけど、とにかく怖かったから毎晩握って寝てた。
4日目くらい朝、仕事してたらふと財布にお守りがついてないことに気付いて、辺り探しても見つからず。
小屋に戻って掛け布団持ち上げたら足元にあった。
何の疑いも持たず、アァよかったと思って手に取ったら、新品のお守り(丸い木の棒に紙が巻いてあって、両サイドにオレンジのインク)が入れ物の中でグチャグチャになってた。
それだけじゃなく、財布に縛り付けておいたのに、紐は切れてもないしほどけてもない。
縛ったまま財布から抜けるような隙間も無い。
それと俺だけかな?このほかにも数え切れないくらい体験したけど、どれもコレも記憶が完璧じゃない。
と言うか、そのときの状況ははっきり言えるけど、本当にあったのかぁ?っていう感じに陥る。

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