車で80歳のおばあさんをはねてしまった
2019/09/01
そういや生霊が幽霊より怖い(念が強い)ってことを思い知らされる事件があったよ。
今年の3月のこと。俺、車で80歳のおばあさんをはねてしまったんだ。
死ぬほど強くってわけじゃないけど、転んだときに頭を地面に打ってね、すごい出血だった。病院に担ぎ込まれ、頭の外傷はたいしたことないとわかったけど、右膝が骨折してることが判明。ただその手術直前に持病の肺炎が悪化し手術断念。のちに脚はもう治らない、車椅子生活決定みたくなってしまった。
おばあさんはそのショックで塞ぎ込んでしまい、俺が見舞いに行っても、「あたしの足を返してくれ」「いきなり後ろから突っ込んできやがって。おまえも同じ目に遭わせてやる」そればっかなんだな。
実際、車道にいきなり飛び出してきたのはばあちゃんの方で、死角の電柱の陰から出てこられたので、こっちは避けようがなかったんだ。ま、こういう場合でも人身事故になれば車は重責。何度も何度も見舞いに行って謝ったさ。
ただね、3月の事故から5月末まで、俺の身のまわりで科学では証明されないような不思議な事ばかり。自販機で煙草を買って、振り向きざまに今までなかったはずの電柱が目の前にあり、顔面直撃&血だらけ(3回も)とか、テーブルの脚に足の小指をぶつけて骨折とか。
あと深夜寝てるときに何者かから首を締められたり、右足を引っ張られたりは日常茶飯事だった。ただ俺はそれも認知してた。「ばあちゃん、病院で俺に怒ってんだろうな」って。
そして5月の終わりのある日のことだよ。深夜、寝ようと歯を磨きながら立った姿勢でテレビを見てたんだ。テレビのスイッチを消すタイミングを見計らっていたのね。したら誰がいきなり俺の背中をすんごい力で押した。俺マジにつんのめったよ。言っとくけど俺は一人暮らしよ。ペットも飼ってない。
そのとき俺は直感したね。もしかしたら、ばあちゃんもう終わりなのではないかと。実際、そのときのばあちゃんは肺炎が悪化してよくない状態だったから。俺の予想通り、翌明朝早く、ばあちゃんの息子さんから『亡くなりました』って電話をいただいた。
あれから命日とお盆&彼岸には必ず墓参りに行ってる俺だけど、亡くなる前夜まであった不思議な現象はいまだ一つも起きてない。