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田舎との関わりを絶った理由

2019/08/24

うちのじいさん(明治の終わりの生まれ)の話。
じいさんとばぁさんからちょくちょく話を聞いていたが、
じいさんの父方の家と母方の家は、
文句無くでかい家だったらしい。
で、じいさん兄が父方を継ぎ、跡継ぎのとだえそうな。
母方を、次男のじいさんが継ぐという話になっていた。
だがじいさんは、東京の学校に来て、
そのまま分家のいとこだった許婚のばぁさんと結婚し、
田舎との関わりを一切絶ってしまったんだそうな。
そんなで俺はずっと都会暮らしで、
田んぼや護岸工事されてない川なんか見たことなかったから、
じいさんの小さいころ育った母方の大きな家と、
自然に溢れた場所でのやんちゃを楽しく聞いていた。
蛇をつかまえた話、
家よりもでかい木から落ちて、納屋の屋根に穴を開けた話、
刈り取った後の稲穂に火をつけて怒られた話、
中庭をかこむ回り廊下をぞうきんがけしてた女中さんを、池に突き落とした話など。
じいさんは、跡継ぎということで甘やかされていたようだ。
で、俺は一度
「そんなにいい所なら一度遊びに行きたい」
と、じいさんにだだをこねたら黙られた。
それを怒られたと思った俺は、
じいさんの昔話をせがむこともなくなった。
それから何年か経って、
多分俺が中学の頃に、
じいさんが腸の病気か何かで倒れた。
そのときに俺一人枕元に呼ばれ、
じいさんは苦しそうに話した。
「俺があの土地に戻らないのはな、
××(じいさんの母方)の家が怖かったからなんだ。
戻ったら俺はあの家を継がなきゃいけない」
以下じいさんが語った内容。
××の家にはやはり開かずの間があったようで、
だけど家の構造からすると、
他の部屋や物置部屋にかこまれた真ん中にあるが、
扉が見つからない。
で、じいさんは天井裏から忍び込んで、
その中を見てやろうと思い立ったらしい。
大工道具をかかえて蝋燭持って忍び込んで、
迷いながらも目的の場所の上にたどりついて、
そっと縄にくくった蝋燭を、
その暗い部屋に垂らして下を覗き込んだ。
たたんだぼろ布の上に、
人の頭の骨をのせたものが、
部屋に等間隔で並んでいた。
じいさんは急いで蝋燭を引き上げ、
天井裏から逃げ帰った。
その後に、
東京の学校に行きたいと無理を言って、
××の家から逃げたと、そう話した。
「俺はあんな因果まで背負い込めないから逃げた。
だから戻れない」
と話すとまた黙り込んだので、俺は部屋を出た。
それがじいさんが話してくれた、
最後の田舎の話だ。
だがじいさんは腸の病気から持ち直し、
90近くで老衰で亡くなった。
因果から逃げ切ったせいかもしれない。
補足。
・誰の骨とかは全然わからん。家を継ぐ時に教えてもらえたのかも。
・稲穂っていうか、わら山に火をつけたときは、
何かこっぴどく折檻されたらしい。
本当に灸すえられただか、蔵に閉じ込められたか。
・母方の家は…どうなったか知らないんだ。
じいさんは九人兄弟だったらしいから、他の誰かが継いだかも知れない。
俺の知る限り、じいさんは他の血縁と交流は一切なかったから、そのへんは推測。
ひょっとしたら断絶してるのかも知れない。

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