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小さな家

2019/07/19

叔父に聞いた話。
約40年ぐらい前、
A県A郡にあるS山にテントの設営練習の為、
友人5人と入った。
麓に神社があり、
山道は散策の為に整備されている。
一旦道をはずれ、
森の中の平地にテントを設営し、
一泊する予定だった。
森の中を数分歩くと、
一辺2mあまりの小さな家があった。
かなり古く全体は板でできている。
家は全部で3つあった。
ほぼ壁と同じぐらいの扉を開くと、
中はぼろぼろだったが布が引いてあり、
数個の陶器などの生活用品があった。
家の土台部分に小さな木製の車輪が4つ付いていて、
移動できるようになっていた。
家といっても大きな犬小屋のような物。
木の車輪が付いていても、
木と草で容易に移動はできないと思われた。
次の日、麓の神社近くの食堂に寄り、
森の中で見た家について食堂の主人に質問すると、
主人の言うには、
「山の中で生活する集団がいる」
と曽祖父が言っていたとのこと。
主人は子供の頃聞いて、
伝説の類だと思っていたということだったが、
「本当にまだ残っているのですね」
と驚いていたという。

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