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友人の寝言

2019/07/17

高校時代、よく友達の家に仲のいい友人三人で泊まってたのね、土曜の夜とか。
友人の六畳間に三人で雑魚寝するんだけど、いきなりおれの右側で寝てた友人が寝言を言い出したわけ。
「潜水艦が……」って。
あんまり唐突だったんで驚いたんだけど、そのときは『怖い』よりも『面白い』が先だった。
結局友人はその夜三回「潜水艦が……」を連発!
あんまり面白かったんで、翌朝おきてからさんざんそのネタで友人をからかった。
本人は潜水艦の夢なんてまるっきり見た記憶がないという。
その次の週の土曜日。
またその友人の家に泊まりにいった。
友人のひとりは早々に眠ってしまい、深夜、例の寝言の友人とふたり、ずーっと話をしてたのね。
そしたらふいにそいつが黙り込むの。
「なんだよ」って聞いてもずーっと黙ってる。
それからぼそっと、
「なぁ、T……」
「なんだよ」
「あのなぁ、おれと今夜いっぱい話しただろ」
「うん」
「これがぜんぶ寝言だったらどうする」
そのときの友人の抑揚のない、感情のかけらも感じさせない淡々とした声。
思わずぞーっとしてしまい、それっきり一言もかわさず、布団をかぶって寝てしまいました。
翌朝……さすがに怖くて聞けなかったです。
『ゆうべの寝言覚えてる?』とは。

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