毎晩同じ時間に「ドーン」
2019/07/16
私の通っていた高校であった話です。
学校の警備員さんが、
毎晩同じ時間に「ドーン」という音を
聞くようになりました。
その高校の近くに短大と高校共有の女子寮があり、
その鉄の門が閉まる音のようでした。
毎晩きっかり11時に「ドーン」と。
でも、もっと近い所から
聞こえてくることに気付きました。
学校の裏手にある焼却炉あたり。
普段あまり使われることのない、
旧校舎の影にひっそりとある焼却炉。
その焼却炉はコンクリート製でしたが、
なにか違和感があったのを覚えています。
それは、トタンの屋根が付いていた事です。
雨よけにしては全然関係ない方に突き出してるし、
それに、焼却炉へは屋根のついた
渡り廊下のようなものがあるので、
はっきり言って無意味です。
警備員さんがその音に気付く数ヶ月前、
学校の屋上から飛び降り自殺をした女の子がいました。
彼女はその焼却炉の上に落ち、
即死できずにしばらく苦しんだようです。
警備員さんの聞いた「ドーン」という音は、
彼女が焼却炉の上に落ちた音。
そして無意味なトタンの屋根は、
彼女が残した血の跡を隠すものだったのです。
コンクリートの上に残った彼女の血は、
何度洗っても、ペンキを塗っても浮き出てしまい、
仕方なくトタンをはったそうです。