消えていく存在
2019/07/14
小学校から仲の良かったAとBと自分。
高校からは学校が別れたのだが、
お互い実家は近所だったので、たまに町中で会ったりした。
(ちなみに誰も携帯は持っていなかった)
しかし、私が県外の専門へ入学、
Bが市内の量販店勤務になった頃。
突然Aの情報がぱたりと途絶えた。
成人式にも現れなかったので、不思議に思った私とBは、
成人式の帰り、共通の知人Cも交えAの家に行ってみた。
家にいくとAのお母さんが玄関に出てきたので、
今日Aはなんでこなかったの?と聞いたら変な顔をして、
「うちにはAなんていません」
と言われた。
私とBは小学校の頃、この家に遊びに来たことが何度もあり、
おばさんとも当然顔見知りだったはずが、
おばさんは私とBのことも知らないと言った。
(Cは来たことは無かった)
そんなはずはないと、いくら説明しても話がかみ合わない。
仕方なくAの家を後にし、
何だか訳の分からないまま、そのときは解散した。
お互い家に帰り、家の人にその話をしたところ、
「あの家に、Aなんて同年代の子いたかしら?」
とのこと。
その夜に3人で、電話で話し合った。
それで、もしやうちらが名前かなんか間違ってる?という話になり、
「あ、そうだ。小学校の卒業アルバムを見れば!」
と、お互いアルバムを探した。
しかし何故か、誰もアルバムを見つけることができなかった。
それどころか、小学校の頃のクラス写真とか、
みんなで写っている写真が、一枚も見つからなかった。
(個人写真とか、数人でのはあった)
未だに理解できない不思議体験だが、これの数年後。
今度はCが、
「Aって誰?」
と言いだし、私とBは唖然とした。
私たちもそのうち、Aのことを忘れてしまうんだろうか…。