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丸と四角

2019/07/09

6年前の8月早朝に不思議なものを見た。
朝帰りで下り電車を降り、
駅を出て家路に向かって歩いている時のこと。
6時過ぎだったが通りには人気は全く無く自分だけ。
銀行とテナントビルの間の石畳の道に差し掛かった。
よく晴れた朝なのに前方から流水音がするので見ると、
あり得ないものがあった。
何も無いはずの空間に丸い穴が開いていて、
そこから透明の液体が流れ出ていた。
穴は正円に見えた。
直径30~50cm位だったと思う。
高さは2階~3階くらいの位置。
見間違いじゃないのかとキョロキョロ周囲を見回すも、
納得がいくようなものは何も無く、
例えれば、両側のビル壁からも離れた何も無い空間に
直径数10cmのホース口がある感じだった。
ただもうびっくりして穴を凝視しながら立ち止まっていた。
その間も水は流れ出続けていた。
一瞬だけホース口のような穴は、
角度をひょいっと自分がいる方へ向けた。
その時は透明の液体が数歩分先くらいの地面に落ちてきて焦った。
直感で、何故かからかわれてると感じた。
30秒以上は続いた後、突如水が止んで穴が消えた。
地面を見ると透明の液体が流れ落ちた跡が残っていた。
石畳の道なので水溜まりにはならず、
石が濡れて色濃く見える濡れ跡だった。
しかも奇妙なことに、
その濡れ跡は綺麗な大きい長方形だった。
(一瞬だけ自分がいる方へ向けられた時の跳ね跡だけ
離れた位置にあったはずだが確認し忘れた。
それとガラケー所持していたのに写メ撮る等も思い浮かびもしなかった)
濡れ跡に近付いてしゃがみ込んで臭いを嗅ぐと無臭。
怖くて触ってない。
まっすぐ続く道前方からOLらしき人が歩いてくるのが見えたので、
この奇妙な長方形の濡れ跡に気づくか(そもそも自分以外にも見えるのか)
確かめたくなった。
相当怪しかったと思うけど、さりげなさを装いつつ接近待ち。
OLは長方形の濡れ跡に差し掛かるその時、
「えっ何だろう」
という風に濡れ跡を二度見して通り過ぎた。
濡れ跡が自分以外にも見える=錯覚ではない、
のを確認してようやく濡れ跡を後にした。
疲れて多少眠くはあったけど意識はハッキリしていた。
とにかく別次元は本当にあるんだなと思う。

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