異次元に行く方法
2019/07/09
小学三年生の時の不思議な話。
私と友人はオカルトにのめりこんでた。
ある日、友人がどこからか仕入れたネタなのか、
「異次元に行く方法があるの」
と言い出した。
私「それって大丈夫なの?ちゃんと戻ってこれるの?」
友人「うん。やり方も簡単だけど2人じゃ出来ないの」
と言うので、数人を誘ってやってみることに。
友人「私がこの石に祈って呪文を唱えるから、
いいって言うまでみんな目を開けないでね」
私と友人ほか3名の5人で手を繋いで輪になる。
友人「じゃあ目を閉じててね」
友人がごにょごにょとすごく小さな声で何かを呟いいて、
「いいよ」
と言った。
目を開ける。
友人の家は公園に面していて、
その儀式(?)を行ったのも公園に小学生が集まる放課後。
広がっていたのはも普通に変わらない公園の姿。
私「何か変わったの?」
友人「うん。ここがそう。異次元なの」
そしてすたすたと公園に入っていく友人とその他友人たち。
私もあちこち見渡す。
公園。滑り台、ブランコ、タイヤ、グランド、遊ぶ子供たち。
変哲は無い。
これは嘘だったのかなー乗せられたかなーと子供ながら半信半疑。
グランドも回って見て、
グランドの小さな山の片隅に一輪のたんぽぽが咲いていた。
当時は真夏が少し過ぎたくらいで、
たんぽぽの咲く季節じゃなかった。
何かそれだけがとても綺麗に見えていた。
友人「そろそろ帰ろう。長く居ちゃいけないの」
と言ったので、儀式を始めた所に戻り円陣で手を繋ぐ。
友人「みんなでいっせーので帰りたいって言うの。目を閉じて。
いっせーの!・・・はい、目開けていいよ」
目を開けてもやっぱり変わらない公園。
私「ねぇ、ちゃんと帰ってこれたの?」
友人「うん。ほら見て。あの子もあの子も知ってる子でしょ?」
公園で遊んでる子供を指して友人は言う。
そこで気が付く。
さっきの公園では誰も見知った顔が居なかった事。
子供ながら嘘でしょ?!と思って違うところを探す。
見当たらない。
最後に山に登る。
たんぽぽなんて咲いてなかった。
ぞっとした。という感覚を初めて覚えたのがこの瞬間でした。
友人にもたんぽぽの話はしてなかったので、
私が気づかないうちに引っこ抜いたりとかは出来ないです。
いまだにたんぽぽの謎は解けません。
人生で初めてぞっとする。
って感覚を覚えた出来事でした。