直視できない石
2019/07/07
鹿児島の旧家である本家にあるものなんだけど、
俺は中学のとき一度だけ見せてもらったモノ。
『直視できない石』って言われてるものを見せてもらった。
正式な名前は別にあるけど、
それを書くと本家の名前がバレちゃうから書けない。
で、その石は締め切った土蔵の中でだけ見せてもらえた。
数本の蝋燭の火だけある中で、小さな箱の中に鉄の箱が入ってて、
さらにその中に厚手の布で包まれたそれがあった。
妙に立方体に近い黒曜石って表現が正しいと思う。
色は蝋燭の光にあおられてからよく思い出せないけど、
たぶん黒曜石のようにガラス質の黒い色だったんだと思う。
だけど奇妙なのは、角ばってるはずのその石の角がハッキリ見れないこと。
台に置いあって誰かの手の上にあるわけじゃないのに、
輪郭がブレているように見える。
目を凝らしてみてもよく見れなくて、
本当にその石がそこにあるのかが疑わしいような感じ。
まるで立体映像のような・・・でも実体は確かにあった。
コレってどんな鉱石だったのか、調べてみても近いものが見つからない。