神社の駐車場
2019/07/05
ドライブパニック神社体験駐車場田舎不思議ライブ不気味釣り幼稚園
単なる偶然かもしれないし、
本当に何か不思議な話かもしれない、
そんな話です。
この間買った車(赤のカローラ・フィールダー)が納車になり、
試運転もかねて地元の神社に行った。
特に全国的に有名な神社ではないんだが、
一応は一の宮なので規模もそこそこなんだよね。
昼飯食ってから実家を出発、
田舎道を1時間ばかり運転して、神社の駐車場に到着。
車の中でタバコすいながら休憩してると、
妙なことに気づいた。
駐車場に俺しかいないんだよね。
100台くらいは停めれそうな駐車場に俺の車しかいない。
普段なら参拝に来た地元の年寄りの軽トラや、
ドライブがてら来たみたいな感じのミニバンがいるんだけど、
1台もいない。
何だか気持ち悪く感じて、外に出ることもできず、
かといって軽いパニック状態なんで、
エンジンかけて帰るって事も思いつかず、
ただひたすら
「何かおかしくね?あれ?何で?何かおかしくね?」
って感じでテンパってた。
真昼間なのに何か凄く不気味な感じがした。
何分ぐらい経ったのかわからんけど、
ふいに1台の白いセダンが駐車場に入ってきて、
俺の車から少し離れたところに停車した。
角ばったボディに4つ目のなんとも古めかしい車なんだけど、
古い感じがしない。
古い車って塗装がボケてたり、
ナンバープレートの文字が褪せてたり薄汚れた感じの、
いかにも古い感じがするけれど、
そういうのが一切ない、
普通に街中を走ってる現行の車みたいだったんだ。
俺以外にも人がいたって思って少し落ち着いたんだけど、
もっと人がいてもおかしくない昼間なのに
2台きりってのがやっぱり不気味だし、
何だか居心地悪いので、家に帰ることにした。
家に帰って、何気なく神社での出来事を親父に話すと、
びっくりした顔で
「それ爺さんかも知れんぞ」
と言い出した。
爺さんは10年以上前に亡くなっているので、
車を運転して神社に来るわけがない。
訳がわからないので、詳しく話を聞くと、
30年以上前にこんな事があったらしい。
ある日、爺さんがまだ幼稚園児だった俺を連れて、
神社までドライブに行くと言って出て行った。
帰ってくるなり
「神社に妙な車がいたが、あれは外車か?」
と親父に尋ねたそうだ。
多分凄く印象に残っていたので、
車好きの親父にどこのメーカーの車か
教えてもらいたかったんだろう。
どんな車かと特徴を聞いてみたが、
当時の親父が知る限り、そんなデザインの車はない。
というか、話を聞く限り、
当時のデザインの常識からはかけ離れた感じで、
どの国産・外車にも当てはまりそうにない車だった。
爺さんが言うには、
神社の駐車場に着くと、自分の車以外には、
「釣り目ライトで新幹線みたいに丸みを帯びた、
のっぺりとした赤いライトバン」
が1台停まっているきりで、
そのライトバンもしばらくすると行ってしまい、
1台きりの駐車場が何だか不気味で、
参拝もせずに帰ってきてしまったそうだ。
当時の車事情をご存知の方ならわかると思うが、
昔は乗用車といえばセダンが主流で、
ステーションワゴンはライトバンと呼ばれ実用本位の車とされ、
乗用で乗る人は少数派。
当然色も白や銀が多かったので、
華やかな感じがする赤色でライトバンは珍しかったのだろう。
デザインも箱を組み合わせたようなカクカクの車が多かった。
ライトも角型か丸目で釣り目ライトなんて
見たことも聞いたこともない。
爺さんの話を聞いた親父は、
「何かの用事で神社に来ていた、消防のライトバンだろう。
釣り目ライトや流線型は、
そのライトバンが動いていたからそう見えたんだ」
と説明したが、
爺さんは腑に落ちない様子で、
しきりと「気味が悪い」と繰り返してたそうだ。
白いセダンと妙なデザインの赤いライトバンだけの、
何だか気味の悪い感じのする駐車場。
それはまさしく俺が体験した状況そのものであり、
爺さんが見たライトバンも俺の車に当てはまる部分が多い。
俺が見た白いセダンについても、
車種やメーカーがわからなかったので断定はできないが、
丸目4灯、フェンダーミラー等、
当時爺さんが乗っていたトヨタ・コロナの特徴に当てはまるように思う、
と親父は話してくれた。
偶然が重なり合っただけかもしれない。
たまたま参拝客の少ない日に、
爺さんが何かの車を見間違え、
30年後、何故か参拝客の少ない日にドライブにきた俺の目の前に、
愛好家が運転する旧車が現れた。
ただそれだけの話かもしれないが、
がらんとした駐車場や、
昼間なのに何ともいえない不気味な空気を思い出すと、
『何か』が起こって、
俺と爺さんが30年の時間を越えて神社の駐車場で遭遇した、
そうとしか思えない。
文章が下手で申し訳ない。
何回か読み返してみたけど、分かりづらいところもあるだろうし、
俺が感じた気味の悪さがうまく伝えきれて無いようにも思う。
だけど、あの日感じた何とも不思議で不気味な体験を
誰かに伝えたくて書きました。