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喋る犬

2019/07/04

ちょっと俺の誰も信じてくれない本当の話。
小さい頃に、喋る犬みたいのと暮してた。
見た目は大人の人が馬の真似した様な感じで、
質感は獣というより粘土で作った様な感じだった。
さらに、暮してたというか常に身近に居て、
たまに姿を現すって感じだった。
でも俺が小学校に上がり、次第にその犬もあまり現れなくなった。
週に1回見るか見ないかってくらいに頻度が落ちて、
しかも目が合っても知らん振りされたり。
俺には弟が居て、弟は俺がその犬になかなか会えなくなってる時でも、
頻繁にその犬と遊んでいる様で、よく話しを聞かしてくれた。
そして小学3年生の時、隣の家が火事になった。
俺は弟とベランダでその光景を眺めていた。
でもその光景に飽きて、部屋に戻って遊んでたら、
部屋が物凄く暑くなってきた。
なんと、俺の家に火が燃え移り、部屋が燃えていたのだ。
それで逃げようとしたんだけど、
階段の方は燃えてるしで逃げられなくなり、
部屋も凄く熱くて弟もワンワン泣いてるし、
子供心に『これ確実に死ぬ』とか思っていたら、
その喋る犬が出てきて、悠長な日本語で
「またいつもの暮らしに戻ります?」
とか言ってきた。
俺は意味も理解出来ないまま頷いた。
すると突然周りの風景が変わって、
弟と一緒に学校に登校してる風景になった。
弟も自分と同じ様な状況になったらしく、不思議がっていた。
成人した今でも、弟とその時の話しをしたりする。
俺の誰も信じてくれない本当の話しでした。
ちなみに、その火事の後もその犬は居て、
最終的に見なくなったのは高校入学直前くらいです。
弟も大体それくらいだそうです。

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