中国の桃
2019/06/23
私の叔父で陶芸家のKさんから聞いた話です。
新たな作風を開拓しようと試みたKさんは、中国の桃の木の灰を入手し釉薬を作り、作品を焼き上げました。
出来上がった作品は、ほのかな桃色だったそうです。
私は単純に、桃の木の灰を使用したから桃色が出たのかなぁ、とか思ったのですが、
事実はそんなロマンティックなものではありませんでした。
Kさん曰く、陶器が赤色を発色するには、酸化金属を原料に使用しないと不可能で、
木の灰で作った釉薬が桃色を発色することは有り得ないとのこと。
では、何故桃の木の釉薬が桃色になったのか?原因は農薬でした。
それも、陶器の材料に使用し、1200度の高温で焼成してなお影響が出たことから推測すると、
洒落にならない量の酸化金属系の農薬が、桃に散布されてたことになります。
私はこの話を聞いて以来、中国産の農作物を買うのを止めました。
余談ですが、戦前まで中国の陶芸は世界トップだったのですが、
戦後の文化大革命の際、陶芸家の多くが粛清、名品の数々が破壊された為に、
数世紀分後退して、現在では日韓に抜かれてしまったらしいです。