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おもかる石

2019/06/12

子供の頃。
当時、以前に発症した盲腸が再発しそうだってんで、
家族は俺の事を心配してた。
そんな中、お袋の実家に帰省した時の事、
近くにある不思議な石?に、俺の盲腸が再発するかどうか聞いてやる、
ってばあちゃんが言い出して、
お袋と三人でその石がある所へいった。
記憶によれば結構大きな石で、ばあちゃんいわく
「この石は何でも答えてくれる石」
だそうだ。
聞きたい事を言ってから石を持ち上げた時、
すんなり持ち上がれば答えはYES。
逆にビクともしなければ答えはNOらしい。
ばあちゃんが
「○○(俺)の盲腸はもう出ない」
って言って、石をヒョイと持ち上げた。
今度は
「○○はまた盲腸になる」
って言って、石を持ち上げようとした。
ばあちゃんは
「あぁ~重たい、持ち上がらんわ」
と言って、
「○○の盲腸はもう出んから心配すんな」
と言った。
子供心に俺は、
「ばあちゃん優しいな。絶対わざとだこれ」
なんて思ってたら、傍で笑ってたお袋が
「私もやる」
と言い出して、ばあちゃんと全く同じ事やった。
したらば結果は同じで、お袋は
「本当だ、嘘じゃない」
と言って、若干ビビリ出した。
俺はどうにも信じられなくて、
ばあちゃんと一緒に自分でやった。結果は同じ。
それでもヒネくれてた俺は、
一人でやると言いだし自分でやってみた。
まじでビビった。
おおよそ子供には持ち上がらん様な石が、
ひょいと持ち上がったり、踏ん張ってるかの如く持ち上がらんかったり。
どっかにスイッチが付いてるんじゃないだろうか?とか、
交互に『上がる』『上がらない』が出来る様になってるんだろうか?
とか色々考えたが、そんな様子は無かった。
そうこうしてる内に
「あんまり聞くと怒らはる」
とばあちゃんが言い出し、俺達は家に帰った。
おかげ様かどうか、実際盲腸は出ずに過ごしてる。
なんかの神様だったんだろうか?

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