ネット上に存在する不思議で怖い話を
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携帯ゲーム機

2019/06/08

誰に言っても信じられなかった話。
時代は初代ゲームボーイが出た頃。
親に買ってもらって浮かれていて、
習い事の行き帰りに電車の中でよくピコピコ遊んでいた。
クラスのなかでは持っている奴も結構いたが、
これみよがしに電車の中で自慢げにやってたもんさ。
そんなある日・・・
電車に座って小さいゲーム機みたいなもんをやってる少年がいた。
当時、そんな小さい携帯ゲーム機と言えば、
一種類のゲームしかできない
チャッちい携帯ゲームしかなかった。
俺は
「プッ、時代遅れ者め」
と思い、ゲームボーイを自慢するために近づいた。
しかし、その少年がやっていたのは、
そんなものではなかった。
本体は小さく薄っぺらなのに、色あざやかで、
動きも俊敏で、ゲームも糞面白そうだった。
「え・・・すげー!何それ!!」
べらぼうに驚いた俺は、
見知らぬ少年に叫んでいた。
「まぁゲームじたいは昔のだよ。
この機械はあいほんっていうんだよ」
彼は言った。
「ゲームだけじゃないよ。
カメラにもなるし、ビデオもとれるし、メールもできる」
「めーるって何!?」
「そうか、まだこの時代じゃメールもネットもないんだよね」
彼はそのゲーム機を触らせてくれたが、
使い方がよくわからなかった。
「じゃあ、もういかなっくちゃ」
そう言うと彼は次の駅で降りた。
扉がしまり、電車が出発したが、
彼の姿を窓から確認しようとしたが、すでに彼はいなかった。
家に帰った俺は、親にそのゲーム機をねだったのだが、
「そんなものはない」
と一蹴されてしまった。
友達に言っても
「そんなのあるわけない」
と言われる始末。
数年後、クロノトリガーが発売されたのだが、俺は驚いた。
それは彼がiPhoneで遊んでたゲームだったんだ。
「俺、ずっと前にこれ見たことあるお」
と周囲の連中に言ったが当然、嘘つき呼ばわりされたさ。
彼は一体誰だったのだろうか。
俺が見たものは一体なんだったのだろうか。
彼が未来から来たとは思えないし・・・
今となっては謎だらけだ。

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