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身体の主導権

2019/06/07

私は小学3年の冬から4年の5月までの間、記憶がありません。
何故かそこの期間だけ、記憶が飛んでしまっているんです。
校庭でサッカーをして走っていたのが3年最後の記憶で、
それが突然に、学校の廊下の大きな鏡の前で立っている記憶に繋がります。
テレビのチャンネルが切り替わってしまったような唐突さに、
混乱してひどく驚いていた自分の様子が、鏡に映っていたのをよく覚えています。
まず、ボーッと鏡を見ている、焦点のあわない自分の顔が見えました。
それがハッとしたように、鏡に映っている自分を見て驚き、
服や周囲を、何が起こったかわからないという顔で見回し、
多少成長してしまった自分の顔や身体を触って、不安で泣きそうな顔になってました。
それから胸の名札『4年1組』の文字を見た途端、
少しずつ色んな情報が頭の中に浮かんできました。
4年生になった事、今は5月だと言う事、教室の位置は2階の左端にある事・・・。
何ていいますか、記憶が飛んでいる期間で知らない筈の記憶なのに、
それを『思い出した』。
そんな感じなのです。
チャイムが鳴ったので、とりあえずその記憶にある教室にいきました。
学年は2クラスしか出来ない人数なので、
メンツに大した替わりはなく、先生も3年の時と引き続き同じ先生でした。
授業が始まり、見た事の無い教科書やノートを開いてみました。
使われて多少汚れ、折り目やラクガキのある教科書は、
見た事は無かったけれど、授業の内容は何故か判りました。
ノートに書かれた字も確かに自分のものなのだけれど、
書いた記憶はないんです。
何かの思い違いじゃないだろうかと考え、
それからしばらくは違和感をあるままで生活を送っていました。
その内ふと、
「記憶の無い間、誰かが自分の代わりをしていたんじゃないだろうか?」
という考えが浮かびました。
その間に何があったのかを思い出そうとしても、
その間にあった行事の内容や、一般常識のような記憶はあるのですが、
私個人の生活に関わる記憶だけは一切思い出せないのです。
テレビで○○を見た、冬休みに誰誰と遊んだ、とか。
この事は、家族や友人を含め黙っていました。
普段からボーッとしていた私は、
自分の記憶に無い期間の自分の行動についての話題が振られると、
「忘れちゃった」と、ヘラヘラ笑って誤魔化してました。
その実、とても不安だったんですけど。
それからそういう事態は起きていませんが、後になって考えると、
「別の人格とかに、身体の主導権握られてたんじゃないか?」
と思ってたりします。
で、思い出せる記憶とそうでない記憶があったのは、
記憶を私と共有できる部分と、その誰かが秘密にしたい、
プライベートな部分があったからなんじゃないかと。
それが半年足らず、しかもそんな事を気にしなくても生きていけた子供だったからよかったものの、
これが大人になってからで、2~3年も入れ替わってたりしたら・・・と考えるとゾッとします。

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