本文の文字サイズ

レイミーさん

2019/06/05

去年、オーストラリアに海外旅行に行ったときの話。
ケアンズの郊外の、それこそ自然イッパイのところをレンタカーで走ってた。
『………あれ。ん?これ、ここ、来たことあるよな』
と思ったんです。
デジャブって言うヤツかなぁと思った。
『あぁ、そこを曲がって車で20分で海岸があって……』
と思って曲がって、
『……あぁ、そうそう。ここのね。この店……』
そういえば、オーストラリアの交差点は独特のロータリー方式だけれど、
初めてなのにすんごくなじんでるわ。
で、
『あぁ、ここ、この家、あら、隣……変わってるわぁ』
って、昔懐かしいーって感じにさいなまれた。
降りてみて、うろついてみてたら、
家から白髪のおばあちゃんが出てきて、
「あっ!」って二人とも声を上げた。
おばあちゃんは、レイミーさんっていって、
その名前も聞き覚えがある気がした。
家に上げてもらって、そして飾ってある写真を見てびっくりした。
レイミーさんいわく、
「これは私のお母さんの若い頃」
といった。
見てみると、外人さんなんだけれど、
私そっくりの人が白黒写真に写っていた。
レイミーさんは二階に誘って、昔、自分の母がつかっていたという、
ミシンのある部屋を見せてくれた。
私は、
『あ、そうだ……あなたに、あげようと思って忘れていた……』
と、ミシン台の横の引き出しを開けて、
フタの裏の封筒を取り出した。
中には、古ぼけた小切手が一枚。
私は、ほんとうに、ここにいたんだな……って実感できた。
今も、たびたびレイミーさんとは文通をしています。

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

人気作品

人気カテゴリ

RSS