競馬の予想
2019/06/02
子供の頃、少しカンが強かった。
くじ引きなどをよく当てた。
父親がそこに目をつけて、
競馬の予想をさせられた。
もう忘れたけれど、
『エンピツを自分なりの法則によってだした高さから転がし、その目をみる』
というものだった。
転がす前には、
脳の血管が切れそうになるほど神経を集中させなければいけないし、
小学生には一万円でも大金なので、
外してはいけないと、おしっこを漏らしそうになりながら予想をしていた。
あまりに当たるものだから、
父は毎週自分は予想せず私の予想を聞いた。
「さ、予想はどうなんだ」
って真剣な顔で聞いてくる父が本当に怖かった・・・。
毎週のプレッシャーに、
私は予想をするのが本当に嫌になり、
外したらもう予想しなくてよくなるはず、
とでたらめの予想をした。
父は案の定、外した。
それでも父は
「次は当たるだろう」
と、まだ予想させようとした。
そのころ読んだ雑誌で、
たまたま超能力特集をしていた。
『超能力は金銭にかかわることには使ってはいけない。
使うと力が無くなる。』
とのことだった。
私はそれを読んで、心底ほっとし、
父に
「もう、力ないよ。
お金に関係あることは、予想できないんだって」
と言い、
それからは
「もうわからない。だって、お金のことだから」
と予想はしなくなった。
本当は今でも結構みえるけど、父には言わない。