両性の合意
2019/06/02
小学生時代の同級生に、軽度の知的障害者(♀)がいた。
彼女は少し人と話がかみあわない所を除けば、明るくて屈託のない人。
十数年ぶりに街で遭遇した時も向こうから声をかけてきて、
軽くお茶することになった。
彼女は学校で理科の先生をした後、お見合いで遠方の農家に嫁いだとの事。
教職についたというのが意外で驚いたけど、
素直に感心して順風満帆な彼女の人生を祝福した。
話のついでに大学での専攻や卒論のテーマを尋ねたが、
そこから先の話はどうにも噛み合ない。
そこは相変わらずなんだな~と、あまり気にせず別れた。
実家に立ち寄った折に、親に彼女の話を伝えると、
真相を教えてくれた。
中学から養護学校に進んだ彼女は、
卒業後に学校のお手伝いと称して学校に通い続け、
理科室のお手伝いをしてたかなにかで、
『自称理科の先生』になっていた。
そのまま理科の先生という触れ込みで、遠方の農家とお見合い結婚。
知的障害があることは親が伏せて縁談したため、
結婚して数ヶ月ですったもんだして出戻ってきた。
彼女の話は、そのすったもんだの時に近所中に知れ渡ったそうだ。
その後ほどなくして、
彼女は別の街に再婚して引っ越して行ったということだった。
私が彼女と話した時の感じでは、多分彼女はまだ、
自分の夫がチェンジしてる事実に気づいてない。
親としては、将来を考えてどうしても結婚させたいんだろうけど、
本人に意志も認識もないままに結婚するということが、
幸せなのか不幸なのか、よくわからなくなった。