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父が亡くなった日の朝

2019/05/29

うちの父は近所の公園で朝の散歩中、
心臓発作で亡くなったんだけど、
亡くなった日の朝、父はまだ帰ってなくて、
私は遅刻ギリギリで自転車にまたがった瞬間、
学校と反対側の父が散歩してるはずの公園に
どうしても行きたくてたまらない気持になった。
「でも!今日は試験だから!!!!」
「いや、ちょっと行くくらいなら」
「でも!試験があるし!!!」
と心の中で押し問答の末、学校へ行くことにした。
その道中、私を追い越した救急車が、
私の行く手を阻んだ。
「もう!!!」
って思いながら、急いで駅へ向って、ぎりぎりで到着したのに、
自転車置き場の自転車をダーーーーって倒してしまったり、こけそうになったり、
とにかく私を学校に行かせまいと誰かが止めてる感じだった。
そして試験中、担任に父が亡くなったことを知らされた。
私が行くか行かないか格闘してた時間に公園で倒れていたこと、
私の行く手を阻んだのが父の乗った救急車だったこと。
父はきっと、私を呼んでたんだ。
公園で散歩だったので、身元を確認するものを持ってなくて、
だれにも看取られず逝ってしまった。
結局、死後、首に巻いてたタオル
に宣伝の名前が入ってた近所の酒屋のおじさんが、
身元を確認してうちの父だと判明した。
なんであの時、公園へ行かなかったのだろうと、
20年以上たった今でも後悔してる。

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