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ドン突きの壁

2019/05/28

子供の時の記憶で、いい年になった今もわからないことがある。
場所は母方の祖父母の家で、
建物が古い和風建築なので、私が5才までのことだった筈。
母に確認したら、私が6歳の時に叔父が結婚して
やや洋風に建直しているので、間違ってはいないと思う。
その家は縁側ぞいに長い廊下があって、ドン突きが和式トイレw
幼児の自分は、祖母の飼い犬と一緒に廊下を走って、
トイレのドアまで行ってUターンして反対側まで走る、
という無意味な遊びをしていた。
そしたら、ドン突きの壁を通り越した。
通り越した先に知らない部屋があって、
後ろ向きの花嫁さん?のような和装の人が複数座って、楽しそうにしていた。
そして、祖父がこっちを向いて座っていた。
祖父が私に気付いて、あっちに行けと手を振って追い払う仕草をしたので、
入っちゃダメだったか、と焦っていたら気配を感じて、
後ろ向きの花嫁さんのような人が、振り返るような仕草で動いた。
祖父の手ふりはどんどん激しくなって、
もう『ぶんぶん!』て感じでますます焦る幼自分。
花嫁さんがゆっくり動いたんだけど…絶対人間じゃない薄さの人だった。
後ろ姿は普通なのに、写真の切り抜きとか、そんな風に厚みがない。
横から見たら、見えない人が何かを言った。
で、祖父もすごい睨んでるし、
さすがに子供心にヤバイ気がして後ずさったら、
尻餅ついてもとの廊下に転がってた。
母は末娘で、祖父は明治生まれのジジイ。
厳しくてすごく怖い人だったのと、
父と祖父があまり仲良くなかったせいで疎遠だったので、
聞けないまま祖父は他界してしまった。
古い家も叔父の結婚で建直しちゃったので、
子供の妄想と言えばそれだけなんですが…

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