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パラオに行ってきたオカン

2019/05/15

実家のおかんの話。
(年齢的にはババァだから微妙にセーフとして下さい)
うちのおかんは自称霊が見えるヒトで、
元は看護婦だったんだが、
今は某私立女子校の保健室の養護教員してる。
この前、修学旅行の引率の先生として、
パラオに行ってきたんだ。
で、留守中、ばあちゃんひとりの実家は不用心なんで、
俺、おかんが帰る日まで実家に滞在してたんだ。
おかんが帰った晩、
タイミング悪くてその日も実家にとまることになった。
その夜なんか寝苦しくて、
後で思うと家鳴りがいつもにも増して酷かった。
うちは古い木造住宅で、
建材のパキパキ音は子供の頃から
日常茶飯事だったので、音にも慣れてたが、
その日は特に多く、深夜起きて、
気になってなかなか眠れなかった。
それに、聞きようによっては、
廊下を誰かが歩くようなの軋み音もあったが、
その時は、この家はこういうもんだと思ってた。
数日後、母からあっけらかんと言われたこと。
「パラオで、旧日本軍の兵隊さんがいっぱいいたんで、
日本迄つれてきてあげたのよー。
だって、まだ終戦をしらずにうろうろしてて、
なんか可哀想じゃない?
しばらくうちにいたんだけど、大多数はどっか行っちゃった。
何人かは行き先わかんないらしくて、しばらく家にいたのよ。
うちいきなり人口密度が高くなって、酸欠ぎみになっちゃってて、
それに、人が多いと狭い家がもっと狭くなるから、
この前靖国神社へおいてきたわ」
って。
オイオイ、幽霊ホームステイさせてたのかよ・・・
「だって、別になんか悪さする訳じゃないし。
そういえば彼等は、飛行機無賃乗車だね」
と、どこまでも明るく言い放つオカンでした。

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