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豚の生姜焼き

2019/05/10

4歳の頃、祖父が死んだ。
葬式に出て出官の時に
「これからどこにいくの?」
と訊ねた私に、
「おじいちゃんを焼きに行くんだよ」
と父。
何の事だかさっぱりわからず寝てしまい、
気が付くと家に。
しばらくして
「ご飯よ~」
と母。
で、その時のメニューが豚の生姜焼き。
急に感極まった父が泣きながら食っているので、
その肉を間違いなくおじいちゃんだと思って食べはじめた私。
祖父が大好きだったので、私も泣きながら
「おじいちゃんおいしいね」
と言うと、父はさらに激しく泣き始めて、母が
「おじいちゃん見えるの?」
と私に聞くので、
目の前にある肉が祖父だと確信している私は、
「おじいちゃん目の前にあるよ」
と答えると、
両親は二人で泣き出し、私も泣き出し、
どうしようもないお馬鹿家族状態に。
(豚の生姜焼きは祖父の大好物だったのを知るのは10何年後)
それから肉が我が家の食卓に上がると、
私は決まって
「だれ?これだ~れ?」
と聞いたそうだ。
そのたび母は
「だれじゃないでしょう・・・な~にと聞きなさい」
と小言。
本当に恥ずかしい話だが、
小学4年位まで肉は全て人肉だと思っていた。
なぜか給食の肉?(南蛮鯨)は
ベトナム戦争の犠牲者だと思っていた。
だから手を合わせて
「いただきます」
と言うのだと思っていた。

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