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Nちゃんの雛人形

2019/05/08

嫁が娘を出産し、一段落したのを見計らって嫁に聞いてみた。
「名前決まったか?」
男の子なら俺が、女の子なら嫁が名前を決めると予め約束をしていた。
そして、生まれるまで敢えてお互い相談もせず、秘密にしておいた。
嫁「N子にする」
俺「やっぱそうか」
嫁が松嶋N子のファンであったの、
それもありえると俺自身予想していた。
嫁の両親が病院に来てくれていたので、
取りあえず俺の母に報告の電話をした。
無事出産をしたことを告げ、赤ちゃんの性別を言おうとした時、
母「女の子だったの?」
俺「なんで分かったの?まだ言って無いのに」
母「女の子生まれた時、名前をつけるの●●ちゃん(嫁)だったわね。もう決めたの?」
俺「N子って名前にするよ」
母「やっぱりそうなんだ」
俺「…えっ」
母「明日病院いくから、赤ちゃん見るの楽しみにしてるね」
と言って電話が切れた。
翌日の夕方、遠方に住んでいる俺の両親が、病院に駈けつけてくれた。
元気に生まれた娘と安産だった嫁を見て、涙を流し喜んでいた。
約一時間後、長い時間病院に居ること出来ないので、
俺達の住んでいるアパートに両親を連れていった。
食事をとりくつろいでいると、母が真面目な顔で話しだした。
母「これ祖父さんから預かってた物なの」
俺「祖父さん?親父ならここに居るだろ?」
母「T蔵祖父さんよ」
俺「T蔵祖父さんなら3年前に亡くなっているだろ?」
T蔵祖父さんは母方の祖父さんで、
父方の祖父さんは、俺が生まれる前に既に亡くなっていた。
母「T蔵祖父さん元気だった頃に渡されたの。とにかくこれ貰ってちょうだい」
と話し、書類袋のような物を渡された。
袋には
『初曾孫が生まれる日に開けろ』
と、祖父さんの字で書かれていた。
俺「えっなんなのこれ?」
母「中も見て」
母に急かされて中を開ける。更にビックリした。
旧一万円札(聖徳太子)が30枚入った祝儀袋と、
こちらも祖父さんの字で、
『これでNちゃんの雛人形買いなさい』
と記入されたメモ紙が入っていた。
俺「????」
母「実はね、母さん子供の時結構貧乏だったの。
小学校の時雛人形家に無くて、欲しい欲しいと祖父さんと祖母さん困らせたの。
母さんが中学に上がる頃には、祖父さんの仕事うまく行くようになり、
『雛人形買ってやるか』って祖父さんに言われたけど、
『もう今は欲しくない。私が女の子産んだら買って』と御願いしたの」
母は結婚後、俺も含め男だけを産み、祖父さんは雛人形を買う機会が無かった。
母「多分、貴方達(俺の兄弟)が生まれる前に、毎回雛人形代を祖母さんと用意してくれたのね。
だからお札が旧札なのは、その時から取っておいたものだと思うの」
その祖母さんも、5年前に亡くなっている。
俺「…それで母さん産めなかった女の子を、俺に託された訳か。
…しかしなんで祖父さんが亡くなった後に、
生まてくる初曾孫の性別と愛称まで分かったのだろう?
俺と●●(嫁)知り合ったのは、祖父さん亡くなった後だし、
結婚したのは1年前で、●●の考えなど祖父さん分からないだろうし」
母「祖父さんの競馬大好きだったから、こういう予想得意だったんじゃない?」
俺「????」
父「(話の流れを読めず終始唖然)…」
T蔵祖父さんから祝儀は有りがたく貰い、
それ以降、この謎について母に聞くことは無かった。

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