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輪灯

2019/05/06

仏壇の話。
母が若かったときの話。
仏壇の中の仏具に輪灯というのがあるけど、
その輪灯が落ちるとその家の誰かが亡くなる、
という迷信が母の住んでた土地にあって、
輪灯の取り付けにはとっても神経質になってたんだって。
ある日、となりの若いお嫁さんが真っ青な顔をしてやってきて、
「突然輪灯が落ちてしまった、どうしよう」
ってうろたえてたんだって。
結局、お坊さんを呼んで念仏をあげてもらったらしいんだけど。
偶然かどうかしらないけれど、
その二ヵ月後に同居の姑さんが死去。なんで?と思うような事故だったらしい。
それで、まぁ、田舎だから、困ったもので。
姑さん、そのお嫁さんが気に入らないらしくてあちこちで悪口言ってて、
お嫁さんはかなり苦労していたのをみんな知ってるから、
その事故の後でいろんな噂が立ったらしい。
実は誰かが…って。
あと、別の話なんだけど、
面倒だって言って、
ずーっと仏壇を開けずに放置していた家があったんだって。
そしたら時々仏壇の中から、
扉を叩いているような音がするようになった。
家の人は怖くて扉を開けられないので、お坊さん呼んだ。
お坊さんが念仏となえて扉を開けると、
白い煙がばーんと出てきたんだって。
部屋中が真っ白になって、
すーっとその煙は消えて行ったとか。
ちゃんと毎日仏壇をあけなさいよと、
坊さんに長い説教をされたらしい。

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