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ここにいる理由

2019/05/06

遠方の実家は、両親と長男の弟で3人暮らしをしていました。
5年前、長男(38歳)が2階の自室にあるクローゼットで練炭自殺をしました。
父(73歳)が7月7日に倒れて入院しました。
肺気腫が末期状態で、肺炎を患いました。
7月8日の午後8時頃に、
もう今夜が山だと病院から電話があり、私は直ぐに行きました。
父を見た私は震えました。
体は半分になり、面影が無くなっていました。
実は私は3年程前から、家族(両親と弟2人)とある事で疎遠になっていました。
先生の話では今夜が山で、もっても1週間が限界だと言われました。
そして、体内年齢が90歳だと。
幸い山を越え、何とか落ち着いてきてくれて、
皆家族3日間病院に付きっきりでしたが、末っ子の弟が仕事の都合で帰りました。
次男は当分仕事を休める手配をして残りました。
私は専業主婦で子供がいないので、当分こちらにいる事にしました。
夜は3人が交代で付き添う事にしました。
まず母と私が実家に帰る事にしました。
実家には祖父と祖母、自殺した長男の遺影が飾ってあります。
長男の遺影を見てぞっとしました。
目から涙のような染みが沢山出ていていました。
真顔な顔の写真なのですが、本当に泣いているように見えます。
母に聞くと、その染みは直ぐに出始めて、少しずつ増えていってるそうです。
私はなんだか悪寒がおさまらず、寝る所を一階のリビングにして、布団を敷いて寝ました。
翌日のお昼頃に、病院に戻る為タクシーを呼びました。
田舎なのでバス停へはかなりの距離があり、本数も一時間に1本。
タクシーが着き、玄関のベルが鳴りました。
母と私が立ち上がると、2階から白い人影スーと降りて来て、
玄関の方に向かって行きました。
私はすこぶるぞっとしましたが、
母はまたかのような顔をして、さほど驚いていません。
ちなみに皆、実家で不思議な体験をしているそうです。
それから私は一度も実家に行ってません。
病院の2階が閉鎖されていて、
許可を得て娯楽室のような場所の長椅子に寝ています。
こちら方が怖くありません。

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