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遺体が公開されなかった

2019/04/27

遠い親戚のじいさんが死んだとき、
遺体が公開されなかった。
会ったことも無いし、
良い死相じゃないんだろうな程度で気にしてなかったけど、
親戚の子供達が、なんとかして見てやろうと頑張ってた。
俺は、最後なんだから見たい人は見りゃいいと思ってた。
見張り役の女子中学生が
必死に子供達を止めてるのをみつけ、
俺が近寄って行く頃には、
一人の子供が顔にかけられてる布をめくって覗き込んでた。
一瞬ひいてたが、
「なんだ、お面つけてんじゃん」
と一言。
中学生も見ていなかったらしく、
「そうなの?」
と言って他の子供達と一緒に覗き込んだ。
すると、子供達は顔面蒼白、
中学生はものすごい悲鳴をあげ、
みんなで逃げ出した。
子供の一人は泣き喚きながら放尿し、
ものすごいダッシュを見せてくれた。
俺も遺体を見た。
黒い鬼のリアルなお面つけてる。
変な風習だなと思いながら、
何がそんなに怖いのか観察した。
真っ黒で歯を食いしばり、
目はカッと見開いて、
額のところに2つツノがあるお面。
今にもこっちにとびかかってきそうな表情だ。
・・・いえ、お面じゃありませんでした。
苦しんだ表情のまま固まってしまい、
次第に色が黒くなり、
眉毛の上あたりがなぜか盛り上がってきてコブができ、
ツノのようになってしまったらしい。
親族のおっさんが、
「ばかやろう!」
と言って布をかぶせなおしていたが、
「くそー、こんなんなっちゃって・・
こんなんなっちゃって・・・」
と、おいおい泣いてたな。
もう子供達は収集がつかないので、
亡くなったじいさんと
一番縁がなかった俺が相手することに。
喪服で子供をひきつれて、
駅前のゲーセンにつれていって時間をつぶした。
寿司食い損ねた。

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