おばあちゃん子
2019/04/22
小学二年生の時、
一番仲良かった女友達が
毎日おばあちゃんの話をしてた。
優しい人でいろいろ話してくれるらしい。
よほど好きなんだなと思ってた。
聞いてると、おばあちゃんはいつも屋根裏部屋にいて、
その子がそこへ行くらしかった。
で、ある日その子が
おばあちゃんに会わせてあげるからと、
家に呼んでくれた。
行くと普通のお宅だが、
たしかに2階の上にはしごで上ると
屋根裏部屋が(ロッジみたいな)あった。
その子が
「おばあちゃん!」
と何回も呼んだが返事も姿もなく、
「あれ?おばあちゃんいない。どうしたんだろ」
とつぶやいていた。
結局おばあちゃんには会えず、
普通に遊んで帰った。
それからピタっとその子が
おばあちゃんの話をしなくなり、聞いてみると、
「おばあちゃん、あの日からいなくなっちゃった」
と言っていた。
後で他の子に聞いたら、
あの家にはおばあちゃんはいないということがわかった。
おばあちゃんの話は親にも話さず秘密で、
私だけに話していたらしい。
たぶんその子は、
そこにいたおばあちゃんと
ほんとに話ししていたんだろうと思う。
なぜ私にだけ話し、私が行ったら消えてしまったのか、不思議だが、
結局その子もその後すっかり忘れたかのように
おばあちゃんの話をしなくなったので、聞けずに終わった。