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朗読

2019/04/16

実際にあったお話です。
怖い話が好きで、
自宅の近所であった自殺の話を少し脚色して、
ネットで公開したそうです。
その夜、
投稿に対するレスを確認していると
突然、電話が鳴りました。
自分が投稿した文章を電話の向うで
朗読しているそうです。
か細い、女の人の声で。
これは自分の文章だとスグにわかり、
きっと個人情報を得た人間の
悪質なイタズラに違いないと思いました。
ところが、脚色部分から、
次第に朗読する女の声質が変わり
かすれた声になり、
男の声に変わってゆきました。
しかも、脚色した内容とはかけ離れた、
実際にあった自殺の内容になっていったのです。
投稿した内容は、
自殺者が女性、首吊り、文語体。
変わって行った内容は、
自殺者が男性、首吊り、口語体。
実際にあった自殺は、男性、首吊り。
怖くなって電話を切り、
無意識に手を合わせて「南無阿弥陀仏」を
繰り返したそうです。
自分の家には仏壇も無く、
そんな習慣も無いのに。
今でも、女性から男性へと変容してゆく時の声が
耳について離れないそうです。

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