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2019/04/11

小さい頃の話。
従妹と港祭りに行った帰り、
電信柱の下に知らないおばさんが黙って立っていた。
そのおばさんは
黒っぽい赤のワンピースを着ていて
塀の方を見てうつ向いていた。
あまり気にはせず歩いていたが、
そのおばさんの横を通りすぎるとき妙な臭いがした。
魚っぽいようななんとも言えない臭い。
釣り好きの父の車の中の臭いに似ていて
それをもっと濃くしたような。
「風?」
従妹が手を強くにぎりながら呟いた。
確かにビュウウと音が聞こえる。
「あ」
と従妹が泣きそうな声をあげて
おばさんの顔を指差した。
おばさんの目と鼻が無い。
そこにはただ穴だけが開いてた。
そこからビュウウと音がする。
「アワーウワー!」
と駆け出す従妹。
自分も慌てて逃げ出した。
その後はよく覚えてない。
気付けば二人布団で震えてた。
大人は震える自分たちに何があったか質問してきたが
怖すぎて答えられなかった。

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