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窓には気をつけて

2019/04/08

これは私の兄からむかし聞いた話なんですが。
ある女の子達3人が
夏の長期休暇を利用して
旅行に行ったんです。
その旅行先、宿泊した宿の女将さんが、
なにやら意味深なことを云ったんです。
「部屋の窓には気を付けて下さい。
間違っても身体を乗り出したり、
腰掛けてあしを出したりしないで下さいね」
…と。
女将さんの顔が真剣だったから
3人は何も云わずただ頷いて。
だけどそこに泊まって3日目の夜。
その日は花火大会が催されてて。
初日に聞いた注意なんて、もう覚えておらず、
窓から花火が見えると云うこともあって一人は身体を乗り出し、
二人は窓枠に腰掛けてそれをみていて。
花火大会も漸く終わり、
しかし三人はおしゃべりに夢中になっていて。
窓から身体や、足を出したまま、時刻は深夜一時を回って。
そのとき、不意に一人が小さく悲鳴をあげ、云ったんです。
「足下に何か生暖かいものがいる」
と。
それに驚いて三人が下を見るとそこには
血塗れの老婆の頭が。
そしてその頭が180度回転すると本来あるはずのない、
老夫の顔がこちらを見つめ、
気味の悪い薄笑いを浮かべていて…。

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