冷蔵庫に宿る
2019/04/01
俺の友人に霊感のある奴(自称)がいる
ある日、そいつ(B)から何故かFAXが来た
「今日、オモロイ物買ったから見においで」
ノコノコとBの家に行くと
「来た来た、まあ上がりな」
「面白いものって何よ?」
俺が訪ねるとBは
「あれですよ」
と、冷蔵庫を指差した。
その冷蔵庫は緑色で取っ手の所は
黒に銀のラインが入ったレトロな物だった。
俺「何コレ?中古?」
B「うん、リサイクルセンター行ったらコイツがあってさ、
霊的な物感じたからさ、買ってしまったよ」
俺「・・え!、いわく付きなの?」
B「いや、いわくっつーか、悪い霊ではないんだけど、
自爆霊みたいもんだよ、子供だし」
俺「何か変な行動起こすの、こいつ?」
B「んー、夜中に唸るかな、「・~~」って」
俺「それってモーターかなんかの音なんじゃないの?」
B「それがさ、耳じゃ無く頭の中に聞こえるんだよね」
俺「いや、その感覚全然わからん」
B「ま、ゆっくりしていきなよ、
その内体験出来るかもしれないからさ」
そうしてBと遊んでいたら喉が乾いてきたので
「なんか飲み物ないかな?」
と聞くと
「冷蔵庫の中から勝手に好きな物飲んで良いよ」
と、答えたので冷蔵庫の前に行くと、
冷蔵庫からガコンッ!と音が鳴り、その後に
「・~ん・・」
とモーター音のような音がする。
その音は何と言うか耳鳴りのような感じで聞こえて来る
「気のせいだろ、たかが冷蔵庫じゃねえか」
そう思い、冷蔵庫を小馬鹿にするようにペシペシと軽く叩いた。
すると
「コンコン・・」
と冷蔵庫の中からノックするような音が・・・。
「おっ・・」
Bが呟く、俺が戸惑っていると、その音は
「コンコン・・コンコン・・・ココココココ・・」
と連打!
「おいおいおい!恐くて開けられないんですけど・・」
と俺が言うと、Bは
「気に入られたかもしれないね、大丈夫だよ、害は無いからさ」
と言ったので、そんなもんかなと思いつつも
ビビリながら開けようとするが、全然開かない
「ふぐぐぐ・・!」
いくら力を入れても開かない。
恐怖心で力が入らないんだ、
そう思い何度もやったが駄目。
みかねたBが
「何してんだよw」
と笑いながら冷蔵庫を簡単に開けた。
B「きっとお前に見られるのが恥ずかしかったんだな、うん」
俺「いや、見たく無いし、あ!あれだ、
きっと冷蔵庫の中の物が振動で揺れていたんだ、
それであんな音がしたのか」
B「ま、そーゆー考え方もあるわなぁ」
一番恐かったのはBが冷蔵庫から取り出した飲み物が
カロリーメイトだった事。
B「これしかないんだよ」