百物語の顛末
2019/03/29
専門学生の頃、仲間内で百物語やったんだよな。
でも実際、百も話が無い。
んで、ネットで
「自分的に怖い話」
を掻き集めて
なんとか百個、怖い話を集めたんだよな。
蝋燭立てんのは、火事なったら恐いから、
煙草を、一つ話したら一本吸うって方法で。
んで百話し終わって、
百本目の煙草を灰皿に押し付けたら、
不完全燃焼でも起こしてたのか、
なんか吸殻が燃え上がってさ、
女の子ら、ビビッて泣き出したんだよ。
・・・でも、マジ怖かったのは。
窓ガラスが突然割れた事。
いや、公民館だったんだけどさ。
同窓会って名目でレンタルして。
大会議室でやってたんだ。
窓は押し開くタイプで12枚あって、
それが全部一気に割れたんだぜ。
「やっぱ、ネットで他人の話、
集めたのは、ズルかったよなぁ」
仲間の一人がそう言ったら・・・
『そうだ』
って、天井から声がしたんだよ。
何つーか、上からした声なのに、
地を這うみたいな声で。
で、何が怖かったって、
その『そうだ』って声で、
いや別に「怖い声」じゃなかったんだぜ。
なのに、全員気絶したんだよ、俺も。
目覚ましたら、すでに朝で、
更に絶叫モンの恐怖が其処に・・・
窓、割れてなかったんだよ。
なのに、ガラスの破片が部屋中に散らばってて。
俺らガラスの破片の絨毯の上で、
寝返り一つ打たずに寝てたんだ。