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電波でお知らせ

2019/03/19

もう何年も前の話だから、曖昧な部分もあるかも。
ある日の深夜、唐突に母が、
「おじいちゃんが亡くなりそうだから、会いに行こう」
と言って来た。
うちは祖父の事を「じいちゃん」と言う上に、
その「じいちゃん」は元気だったので、違和感を感じてたら、
どうやら私の知ってる「じいちゃん」は、ばあちゃんの再婚相手。
「おじいちゃん」ってのは母の実の父、って事らしかった。
当時10代の私、存在知らなかった人のとこ行ってどうしたらいいの…状態。
それでも母に引っ張られて、取り敢えず母・姉・私・弟で、
高速に乗って遠い病院へ。(我が家は母子家庭です)
ガリガリに痩せてる、記憶にないおじいちゃんを前にオロオロ。
それでも赤ちゃんの頃には会ってるらしく、おじいちゃんは話しかけてくる。
それに受け答えしつつ、母はお医者さんに話を聞いたりして、その日は帰宅。
暫くは何度か伯母も一緒に病院に足を運んだが、
当時高校生でバイトをしてた姉は、最初の一回以来あまり赴けず。
そうこうしてる内に、1ヶ月程でおじいちゃんは亡くなってしまった。
おじいちゃんは身内と殆ど絶縁状態(?)らしく、
お見舞いに行っていたうちの身内のみで、小さいけどお葬式。
その後、母達がおじいちゃんの兄弟の方に連絡を取り、
相談の結果、そちらがお骨を受け取るということに。
役所にお骨を預かって頂き、私達一家帰宅。
その後、いつも通りに過ごして1週間程経った夜。
母・私・弟はリビングでテレビを見ていて、姉は部屋に居たんだが、
姉がリビングに来て、「何?」と言う。
母・私・弟が「え?何が?」と言うと、
姉が「母さん、メールしたでしょ?何?」と言う。
ますます「え?」な母に、姉がメール画面を見せる。
確かに母さんからのメールで、
本文は『○○○(姉の名前をカタカナで三文字)』とだけ。
時刻はついさっき。
母「え?こんなメールしてないんだけど」
姉「え?」
母「携帯なんか触ってなかったし、ねぇ?」
私・弟は確かに数十分は母と一緒に居たが、確かに携帯は触ってない。
証拠にと、母の携帯の送信メール一覧を見ても、そんなものはない。
その日は、皆で
「なんだろうね?変なの」
程度で流してしまった。
それから更に1週間程。
全く同じ状況で、またしても姉に母からメール。
今度の本文は『いつくる』のみ。
ここで漸く母がハッとして、
「ねぇ、ちょっと待って、もしかしておじいちゃん…」
と、慌てて役所に電話を掛けた。
電話の結果、母の第一声は、
「おじいちゃん、お骨まだ引き取り来てないんだって…」
結局、お骨は我が家が引き取りに行った。
その後は一度、忙しさで皆が命日を忘れてしまってたら、
母の携帯が聞いたことの無い着信音で鳴り、
番号を調べたら、おじいちゃんの住んでた地方のモノだったとか、
そんなこともありました。
数年経った今では、めっきり平和です。

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