開く障子
2019/03/12
中坊時代に体験した洒落にならん話。
1泊2日の研修旅行というのがあって、
クラスで班分けがあった。
そこで友人のAが
「本格的にローソク使って百物語をしない?」
と持ちかけてきたので
班の子全員
「それ、面白そうだね!w」
とノリノリで承諾。
宿泊先がどんな所なのか
知ってたら絶対実行しなかったのに・・・・。
宿泊先は山の中腹にある宿泊施設。
バブル時代に発砲スチロールで出来たデカイ仏像を
あちこちに置いて非常にデンパな所でした。
一通りのレクが終わり、
就寝前の自由時間。
隣の班の子達も急遽参加で百物語は始まり
部屋の電気を消して
「いざっ!ローソクを・・・」
ってなったのだけれど
「お菓子くれ~」
という乱入が結構あったため
ローソクを使っての怪談を断念することに。
(当時はまだ教師が厳しくて
体罰当たり前だったしね・・・・)
代わりに部屋に設置されている懐中電灯
(スイッチ式ではなく付属の差込で消灯するやつ)で
行う事に。
1人1人話たら懐中電灯を消して次の人に廻す。
怪談の内容はそれこそ
どっかで聞いた事があるような他愛の無い話。
いよいよ最後の子が話し終わるかなって時に
黄色っぽい光の懐中電灯が
弱いオレンジ色の明かりになった。
「いやぁぁぁぁ!!!!」
軽く皆パニック。
すかさず誰かが部屋の灯りをつけて
「まぁ、これだけ人が居たから
電池が弱って当たり前なんだろうけど
ちょっと怖かったねw」
と、その場をフォローしてくれて
プチドッキリだったよね、で終了。
寝る準備をしつつも
やはりおしゃべり大好きな年頃なので
なかなか会話は終わらない。
気付くと外は雨が降っていた。
「寒いから障子窓閉めて」
誰かが言った。
部屋の窓は少し出窓っぽいヤツで
内側の障子がカーテン代わりの感じ。
ぴしゃん、とAが閉めて
また他愛の無い話を
巡回してる先生に見つからないように楽しむ。
「あれ?また障子が開いてない???」
また誰かが言った。
え?さっき閉めたよね?
見ると確かに10cm位開いている。
イヤな感じもしたけれど
その想像は怖いのは皆一緒だったので
「やだなー、誰?ふざけないでよ!w」
とカラ元気を出してAがまた障子を閉める。
でも、誰も障子に近づいてなんていないんだよね。
寝転がってるから、
起き上がれば気付くはずだし・・・・。
障子に注目する。
でも障子は開く気配が無い。
十代の集中力は
怖い