迎えの時間
2019/03/06
ある知り合いの保母さんから聞いた話
仕事中に子供を預ける施設で一人の子供が
だれもいない空中を見上げてしゃべっていた。
「ママ、ママ、」
その子の母親が迎えに来る時間は過ぎていた。
突然、電話が鳴り出し電話を取りにいこうとしたが
その子が窓に向かって走りだしたので
その子供を抱えて制止した。
しばらくして電話に出ていた別の職員さんに
廊下から呼ばれて行ってみると小声で
「大変、○○ちゃん(その子)のお母さんが交通事故で・・」
保母さんは思わずその部屋に残された子供を抱き締めた。
「○○ちゃん・・おかあさんがね・・」
ふと子供が見上げてる小窓を見つめると保母さんは
「ひゃっ!」
声にならない悲鳴をあげた。
2階にあるその窓にべたべたと
いくつもの手のひらの跡がついていたそうである。